技術・設備情報

表面処理加工

当社では、ステンレスやチタン、アルミニウム、マグネシウムをはじめとする多様な金属に対して、化学発色や陽極酸化発色、TF処理(特殊不動態化処理)、電解研磨などの高度な表面処理加工を行っています。

単一工程の表面処理案件から、プレスや切削加工を含む一貫生産案件まで柔軟に対応可能です。また、既存技術では対応が難しい特殊な金属表面処理のニーズにも、専用の新規技術開発によりお応えします。耐食性の向上や外観の美観向上を目的とした処理も得意としておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

表面処理加工技術紹介

ステンレス

「コイル材の発色」が可能です

小ロット多品種から大量生産まで、幅広く対応いたします。

化学発色(カラー発色)

ステンレスの表面に対し、10nm~300nmの厚さを持つ透明な酸化皮膜を化学的に酸化させることで、表面に鮮やかなカラーを生み出します。この化学発色技術は、外観の美観を向上させるだけでなく、耐食性を高める効果もあります。特に、耐久性が求められる用途や装飾性が重要な製品に適しており、建材や自動車部品の表面処理においても優れたパフォーマンスを発揮します。

効果 色付けによる外観向上、耐食性向上

TF処理(特殊不動態化処理)

当社独自の技術を用いたTF処理では、ステンレス鋼の表面にクロムリッチな酸化皮膜を形成し、金属表面の耐食性と耐塩水性を大幅に向上させます。この特殊表面処理により、耐食性が低いSUS420、440C、430などのステンレス鋼にも、SUS316と同等レベルの防食性を付与することが可能です。また、SUS304やSUS316のような優れた耐食性を持つステンレス鋼にもさらに高い効果を発揮します。高耐久性が求められる産業分野や、過酷な環境下での使用においても信頼できる処理技術です。

効果 色付けによる外観向上、耐食性向上

不動態化処理

不動態化処理では、ステンレス表面に付着した異物を溶解除去し、クロムリッチで安定した酸化皮膜を形成することで、金属表面の耐食性を大幅に改善します。この処理により、金属は高い耐食性を持ち、腐食や酸化からの保護が強化されます。特に、食品向けタンクや、産業用部品、建材などのや耐食性が求められる製品に効果的です。

効果 耐食性の向上

電解研磨

電解研磨は、ステンレス表面の微細な凹凸のうち、凸部を優先的に溶解させることで、金属表面を平滑に仕上げる研磨技術です。この処理により、表面の光沢が向上し、耐食性も強化されるため、医療機器や食品加工設備など、高い清浄性や耐食性が求められる用途に最適です。また、外観の美観向上や表面の洗浄性を高める効果もあります。

効果 光沢出し、耐食性、外観、洗浄性の向上

内面精密研磨

内面精密研磨では、バフ研磨や電解研磨を用いて金属の内部表面を精密に仕上げ、耐汚染性や耐食性を向上させます。この研磨技術により、金属表面はより平滑になり、汚れの付着を防ぎ、長期的な腐食保護が可能となります。特に、医療機器や化学プラントなど、清浄性や耐久性が重視される分野で広く利用されています。

効果 耐汚染性、耐食性の向上

コイル発色・TF処理例

  • コイル発色ライン

  • 釣具用ベアリング

  • 建材金具

チタン

コイル材の発色量世界一の実績あり

当社は、チタンコイル材の発色において世界トップレベルの実績を誇り、建材分野でも多くの採用例があります。特に、陽極酸化発色による鮮やかなカラー発色技術に強みを持ち、お客様の多様なニーズに応える豊富な技術知見を活かしたソリューションを提供いたします。小ロットから大規模プロジェクトまで対応可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

陽極酸化発色(カラー発色)

チタンの表面に10nm~300nm程度の透明な酸化皮膜を陽極酸化で成長させることで、鮮やかなカラーを実現します。この陽極酸化発色技術により、チタンは耐食性を保ちながらも外観が美しく仕上がり、特に建材や装飾品に適しています。さらに、グラデーション発色も可能で、デザイン性の高いプロジェクトにも対応可能です。

効果 色付けによる外観向上

建材採用例

  • 九州国立博物館(屋根材)
  • 北野天満宮(屋根材)

アルミニウム

アルマイト処理もお任せください

アルミニウムの表面処理であるアルマイト処理を得意としており、多彩なカラーアルマイトにも柔軟に対応いたします。アルマイト処理による耐食性や耐摩耗性の向上に加え、外観の美観向上を実現します。お客様のご要望に沿った最適なデザインを提供いたしますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

アルマイト

アルミニウム表面を電解処理することで、数μm~数十μmの陽極酸化皮膜を形成し、表面を硬化させます。このアルマイト処理により、金属表面の耐食性が向上し、傷つきにくい強固な保護膜を持たせることが可能です。耐久性を求められる部品や製品において、耐摩耗性と長寿命を実現する理想的な表面処理技術です。

効果 染色による外観向上、耐食性向上

硬質アルマイト

硬質アルマイト処理では、非常に硬く耐摩耗性に優れた10μm~100μmの厚さを持つ陽極酸化皮膜を形成します。この厚く硬い皮膜により、摺動部品や機械部品など、高い耐摩耗性が求められる用途に最適です。耐久性の向上とともに、長期間にわたり優れた性能を維持できる信頼性の高い表面処理技術です。

効果 耐摩耗性上昇

化成処理

化成処理では、金属表面に薄く高い耐食性を持つ皮膜を形成します。この処理は、六価クロムを含むタイプと含まないタイプの両方に対応しており、環境や用途に応じた選択が可能です。特に、耐食性が求められる部品や構造物に適しており、幅広い産業分野で使用されています。

効果 耐食性向上

マグネシウム

化学皮膜処理・陽極酸化処理 (研究開発中)

マグネシウムに対して、化学皮膜処理や陽極酸化処理を行うことで、金属表面に不溶性化合物の被覆を生成し、耐食性の大幅な向上を目指しています。この技術は現在研究開発中であり、軽量で耐久性が求められるマグネシウム部品に新たな付加価値を提供します。防錆性能や耐摩耗性をさらに強化することが期待される処理技術です。

効果 耐食性向上

各種金属で共通の処理

塗装

金属表面に塗膜を施すことで、装飾性と耐食性を同時に向上させる塗装技術を提供しています。スピンドルラインとロボットブースの両方に対応しており、大量生産から小ロットの特注案件まで、柔軟に対応可能です。この塗装処理により、製品の美観を保ちながら、長期的な耐食性も確保します。

効果 耐食性、外観向上

各種研磨 (鏡面研磨・ヘアライン研磨)

鏡面研磨やヘアライン研磨をはじめとする各種研磨技術により、金属表面を研磨剤を用いて微小量ずつ丁寧に削り、最適な仕上げを行います。お客様のご要望に応じて、外観の美観を高める意匠性や機能性を実現し、金属表面の質感や光沢を理想の状態に仕上げます。

効果 意匠性向上

ブラスト加工

当社では、インペラーブラスト(鉄粉)やエアーブラスト(セラミックビーズ)を用いたブラスト加工に対応しております。これらの技術を用いることで、金属表面に対して意匠性や耐久性を高めることができ、機能性や外観向上を目的とした幅広い用途に対応可能です。

効果 意匠性向上

印刷

当社では、スクリーン印刷やパッド印刷に対応しており、金属表面に高精度な意匠性を加えることが可能です。多種多様なデザインやロゴの印刷にも対応し、装飾性と機能性を兼ね備えた仕上がりを実現します。細かいディテールにも対応できるため、様々な製品や用途にご利用いただけます。

効果 意匠性向上

設備紹介

設備紹介

TF処理(特殊不動態化処理)
電解研磨
自動TF処理ライン(許容サイズ 900×700×150)
1ライン
電解研磨
小型電解研磨ライン
1台
発色
ステンレス自然発色ライン(許容サイズ 1,000×3,000×300)
1ライン
チタン酸洗発色ライン(許容サイズ 1,000×2,400×200)
1ライン
ステンレス・チタンコイル発色(許容サイズ 幅680)
1ライン
アルマイト
全自動無色アルマイトライン
1ライン
全自動染色アルマイトライン
1ライン
マグネシウム化成処理
ブラスト
自動マグネシウム化成処理ライン(パソコン筐体サイズ対応)
1台
ブラスト
ブラスト機
7台
塗装・印刷
クリーンルーム塗装室(自動スピンドル2コート2ベーク対応)
1台
クリーンルーム塗装室(ロボット)
1台
パッド印刷機(ロボット)
2台
スクリーン印刷機
2台
塗装・印刷
YAGレーザーマーカー
30台
CO2レーザーマーカー
1台
各種研磨機