表面処理加工
チタン表面処理
チタンに利用される様々な表面処理
陽極酸化発色カラーチタン
チタンの表面に極薄で透明な酸化皮膜を形成し、色鮮やかな表面を実現します。この酸化皮膜は、耐腐食性と耐候性に優れており、光による退色が全く発生しません。
特徴
陽極酸化による発色は、見る角度や光の入射方向によって光の行路が変わり、色調に変化を与えることで、深みのある色彩を生み出します。この透明酸化皮膜による発色技術は、鏡面仕上げや高意匠性が求められる場合にも対応可能で、チタンの特性を最大限に活かした表面処理が可能です。また、密着性が高く、発色後の折り曲げ加工や軽度のプレス加工にも対応でき、耐久性にも優れています。
効果 | 色付けによる外観向上 |
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カラーサンプル
当社では『Toyoチタニウムカラー発色』として130色を展開。グラデーションカラーもご依頼いただけます。ご注文の色調はカラーサンプルNoでご指定ください。(使用素材は、日本製鉄TranTixxii)
なおモニター環境等の影響により正確な色味を再現できない場合がございます。ご希望のお客様には「色見本帳」を郵送いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
採用例
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北野天満宮(屋根材)/緑青色
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ホテル マルケス デ リスカル/ワインカラー
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奈良国立博物館(屋根材)/コルテン色
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小倉城庭園/コルテン色
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萬福寺(屋根材)/緑青色
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内灘町役場(屋根材)/緑色
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九州国立博物館(屋根材)/青色
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装飾モニュメント(弊社玄関に展示)
胴体:チタンカラー発色、羽根:ステンレスカラー発色
原理(製造法)
チタンの表面に10nm〜300nm程度の透明な酸化皮膜を陽極酸化処理で成長させ、鮮やかなカラー表面に変化させます。この酸化皮膜自体は無色透明ですが、白色光が表面と金属の界面で反射し、それらの光が干渉作用を起こすことで、特定の波長の光が強調されて色として現れます。
この発色は、酸化皮膜の厚さを精密にコントロールすることで調整可能です。発色原理は、シャボン玉や水面に浮かぶ薄い油膜による虹色と同じ仕組みで、透明酸化皮膜が光と干渉して色を作り出します。当社が開発した連続コイルライン発色技術により、長尺のチタンコイルにも安定した発色を施すことができます。これにより、耐候性や高意匠性を持つ表面処理が可能となり、建築材や装飾品など幅広い分野で使用されています。
加工可能サイズ
材料 | サイズ | 厚み |
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シート材 | 1.000mm×3.000mm | 板厚 0.3m~0.8mm |
加工品 | 1.000mm×3.000mm | 厚み 350mm |
コイル材 | コイル幅200mm~650mm | 板厚 0.3mm~0.8mm |
(参考)連携チタン素材ブランドのご紹介
日本製鉄TranTixxiiブランドの素材を推奨しています。
(世界初・世界唯一の経年変色をミニマイズしたチタン発色素材となります)
(当社のチタン表面処理工程は、TranTixxiiブランドを支えております)
4つの発色法
酸洗発色
チタンを特殊な酸溶液に浸漬し、表面の自然酸化皮膜を完全に除去した後、陽極酸化によって鮮やかな色調を形成する方法です。クリーンな陽極酸化皮膜が得られるため、モニュメントや看板、アクセサリーなど、外観の美しさが重要視される製品に最適な表面処理技術です。
無酸洗発色(TTXC hard type)
チタンの表面を脱脂処理のみ行い、陽極酸化によって自然酸化皮膜と陽極酸化皮膜の複合皮膜を形成します。これにより、落ち着いた色合いが得られ、特に建築材(屋根、壁など)に適しています。連続コイルラインでの発色も可能で、バッチ発色よりコストを抑えられる点も魅力です。
チタン緑青色発色(TTXC normal type)
アルミナブラスト加工したチタン板に緑青色の発色を施し、銅の緑青色に似た落ち着いた色合いを再現します。チタンの腐食耐性とメンテナンスフリーの特性により、神社や寺院の屋根材として、酸性雨に弱い銅製屋根の代替素材として広く利用されています。
チタンコルテン色発色(TTXC)
当社が開発した特殊な溶液でチタンを陽極酸化し、無光沢の茶色から紫色、グレーに発色させる方法です。この落ち着いた色調は、お寺、博物館、美術館などの屋根に適しており、高意匠性を求める建築用途に広く採用されています。日本製鉄TranTixxiiと共同で知的財産を保有している独自の発色技術です。
チタン陽極酸化光触媒皮膜
特徴
当社と大手鉄鋼メーカーが共同で開発した陽極酸化チタン光触媒皮膜は、特別な前処理を必要とせず、陽極酸化処理のみで高い光触媒活性を発揮します。従来の塗布タイプと異なり、剥離することがなく、効果は半永久的です。試験データからも確認されているように、塗布タイプと比較して光触媒としての性能が非常に高いことが証明されています。
さらに、当社の連続コイルラインでの陽極酸化処理により、光触媒皮膜を低コストで大量生産することが可能です。この技術は、耐久性と効率性を兼ね備えており、様々な用途に応用できます。
製法・特徴等
測定試料 | 素材形状 | その他の特徴 | |||
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切板 | コイル | 成形物 | 加工品 | ||
CN80 | ◯ | ◎ | △+1 | ◎ | 高生産効率、箔製造可能 絞り成形可能 |
NCN80 | ◯ | ◎ | △+1 | ◎ |
可視光応答性
通常の酸化チタン光触媒は、波長400nm以下の紫外線にのみ反応し、太陽光中の紫外線は全体の3〜4%に過ぎないため、効率が低くなりがちです。しかし、当社の陽極酸化光触媒チタンは可視光応答性を備えており、太陽光の大部分を占める可視光を有効に活用できます。
この特性により、光エネルギーの利用効率が飛躍的に向上し、従来の光触媒技術に比べて高い性能を発揮します。
性能試験結果
- 測定法:湿式メチレンブルー分解試験法(JIS1703-2)
- UV光源:ブラックライト(365nm) 1mW/cm2
- 測定試料:CN80H
- 測定器:分光光度計
- 分解活性指数 25.5(μmol/L/min) 5以上で光触媒性有り
用途例
空気清浄機光触媒フィルター、浄水器光触媒フィルター、土壌汚染除去装置、抗菌性を要求される室内壁・建築部材、汚れが付きやすい場所の建築物の壁材、屋根材など
レーザーによる模様入れ
特徴
チタン素地や発色されたチタンに対し、レーザーマーカーを使用してエッチング、色抜き、発色を行うことで、自由自在に多彩な外観デザインを実現します。この技術により、複雑な模様やデザインを自在に変更することができ、多品種小ロットの製品にも柔軟に対応可能です。レーザー加工は高意匠性を求める分野において、精密で美しい仕上がりを提供します。
用途例
IT機器筐体、屋根材、壁材、看板、モニュメント、装飾品、装身具、アウトドア用品、スポーツ用品、海洋関係部品など
電解研磨・化学研磨
特徴
当社が開発した電解研磨および化学研磨技術は、チタンが難加工材であるという従来の常識を打ち破り、複雑な形状や薄板のチタン製品に対する光沢研磨を実現しました。この技術は、容器の内面研磨やバリ取りなど、精密な加工が求められる場面に最適です。
さらに、この研磨技術を陽極酸化発色と組み合わせることで、鮮やかな色彩を持つ美しい表面処理が可能となります。チタン製品に対して、高意匠性と耐久性を兼ね備えた仕上がりを提供します。
用途例
チタン製容器内面、チタンアウトドア用品、装飾品、チタン配管部品内面、チタン製腕時計部品、ラス網、IT機器筐体、メガネ部品、装身具など